フィロティモス偸生記

καθεύδειν αὐτὸν οὐκ ἐῴη τὸ τοῦ Μιλτιάδου τρόπαιον.

悪の高揚感

会社に隠れて転職活動をしていると「出し抜く」という言葉の甘美さに気づかされる。この言葉に包含される抜け目のなさと狡猾さと果断さ、そしてほんの一滴の悪を噛みしめる時、俺はまるで自分が正々堂々たる王者に対して狡猾で残忍、卑劣極まりない陰謀をめぐらす野心家、あるいはこの世の春を謳歌する金持ちを銀色に輝くあいくちを握りしめて闇夜の街路で待ち伏せする夜盗にでもなったようなじんわりとした高揚感を覚える。