フィロティモス偸生記

καθεύδειν αὐτὸν οὐκ ἐῴη τὸ τοῦ Μιλτιάδου τρόπαιον.

職人としての歌手

歌手が世間でなぜアーティストと呼ばれているのかいまいち解せない。アートの内容は音楽だけど、これを作っているのは作曲家であり、作詞家であって、シンガーソングライターでもない限り歌手は「ただ歌う人」なんじゃないか。

しかし、俺は、歌手が余計で別に必要でも何でもない、中間業者のような人たちだとは思わない。

ちょうど設計士と現場作業員との関係と同じような関係が作曲家や作詞家と歌手の間に成り立つんじゃなかろうか。たとえば家を作るとして、どんなに設計士が立派な家を設計しても、現場作業員の腕が悪いといい家は作れない。現場作業員の熟練の技あってこそ設計通りの家は建つ。これと同じように、作曲家や作詞家が紙の上に書き起こした譜面を歌手や演奏家がその持てる技を駆使して形にし、音楽というエンターテイメントが成り立つ。

だから、俺としては歌手や演奏家は同じartistでも、「芸術家」ではなく「職人」ではないかと思う。